目が覚めた時、もうすっかり夜になった。壁時計見ると、もう9時だ。
理恵ちゃんがまだ起きている。本を読みながら、俺を看病している…ようだ。俺を見て笑った。「おはよう」って。
次に、理恵ちゃんが作ってくれた粥を食わせてから、夜の薬を飲ませた。
「だいぶ下がったね、熱が。よし、早く寝た方がいいよ。」
理恵ちゃんが立とうとしているとき、俺は以外な行動をした。たぶん熱のせい。理恵ちゃんの手を握って、引きとめた。理恵ちゃんの目を見れねー。
「ここでいいから。」
言ってしまった、俺。ずっと言いたかった言葉やっと言えた。ずっとって…ま、とにかく今言えた。
理恵ちゃんはまた笑った。それをしながら、布団をかけた。横たわって、俺のほうに向いて、空いている左手で俺の頭をなでながら、こう言っていた。
「早く治ってよ、兄ちゃん。」
どうして。逆に俺は治りたくない。ずっとこうされてほしいから、理恵ちゃんに。
「こんな苦しんでいる兄ちゃんを見たくないの。」
俺はずっと一度も放せずに、理恵ちゃんの手を、しかも前よりもっと強く握って、そのまま寝てしまったようだった。
外は一晩中雨だった。
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