「心配」という言葉が頭から離れられない。無理やりにアイツを福岡に連れて行った方がずっとよかった気がしていた。
だから、アパートに帰った時、「お帰り」ってアイツが言った瞬間、アイツを抱きたくなるぐらいほっとした。
でも、ぬくもりが感じた言葉はそれきりだった。次はアイツ冷たい態度を取った。ま、同じ部屋にいるのに全然俺に話しかけないのは冷たいと言えるから。
「理恵ちゃん!」
今度の邪魔は電話かよ。
「もしもし。うん。」
こそこそしやがってんだな。
「ちょっと出かけてくる。」
出かけてくる?電話した人に会うことに違いない。誰?元彼?仲直りでもさせられる?理恵があの男のとこに戻るか、俺がいるのに?理恵があんな女じゃないよな、きっと。
でも、本当にそうじゃない女なのかな?1か月間結婚しているとはいえ、俺、理恵のこと何も知らないし、知るように頑張ろうともしない。本当に夫なの、俺って。
あああ、何心配してるんだよ。別にいいじゃない元彼に会っても。俺も元の彼女にさんざん会ってるし。
それを考えている間、俺は外に出ようとしてしまった。やはり理恵をあの人に会わせたくない。
外を出て、理恵ちゃんを追いかけようとすると、誰かが俺の部屋の前に立っている。
「お前か、理恵花の夫ってやつ?」
あの男からなんだか憎みを感じた。
分かった。こいつか、理恵の元彼ってやつ。彼女に会うんじゃなかったのか。
「本気じゃなさそうね、理恵花のこと。」
答えの分からない質問を投げられてもどう答えばいいのか分からないんだよ。
やっとコイツ俺に向かって話す気になった。中々イケメンだな。
「本気じゃないならアイツを迷わせるなよ。アイツのこと、俺は本気だから。」
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